【Concept】
M様邸は、閑静な住宅街の三叉路の角に建つ、築年数のかなり経ったお宅でした。
少し暗くて広い玄関土間、長年の年月で艶の出た黒の柱に和室の続き部屋、襖の仕切り、縁側、なつかしい日本家屋の原型を保っており、かまどの焚口のすすが少し前までそこにあったような雰囲気を漂わせていました。
それでも寒いのはつらいし、健康で快適に過ごしたい。いっそご新築となったものの、できる限り木のあたたかい風合いを感じられるよう、住むほどに味わいが増す家にしたいと家づくりは進んでいきました。
施主様が建築中の家を眺めに来られると、通りがかったご近所様に「屋根の形が素敵な家ですね」とのお声をよくいただいたそうです。
建物は平屋風で、1Fだけで生活ができるようになっています。2Fは小屋裏を利用した部屋と収納。屋根勾配のなだらかな吹き抜けはリビングに広がりを持たせる、ゆとりの空間です。
床材は無垢オークを使用。建具はそれに合わせたミディアムブラウン。暗くなりすぎない落ち着きのある色合いと白いクロスの組み合わせは、シンプルかつ上品です。
和室の床柱は、本格和風の格式が感じられます。和の造作は手がかかるので、最近はだんだん減ってきていますが、和のしつらえは時を重ねるほど日本人の心を和ませます。
勝手口は、倉庫から入ると洗面脱衣室に通じており、物干しを兼ねるそのスペースは玄関をすっきり保つためにも重宝しそうです。そこからキッチンが近くにあるのはさらにうれしい動線です。
長年の実績から生まれた遮熱の家で、これから快適な生活をしていただけることと思っております。
【防府市浜方 M様邸】